てくてく日記

鉄道と旅行が好きな人のブログ。たまに飛行機。

地方私鉄で駅員バイトしてたときの感想とか

皆さんこんにちは!

今回は私が地方私鉄でアルバイトで駅員をやっていた時のことを色々綴ろうと思います。やっていた当時から時が経ち、そろそろ色々時効だろ(?)と思っているので当時は言えなかった本音とかもポロッと入れておきます。

 

 

1.バイト駅員の仕事内容

「駅員ってバイトでもできるんですか?」と周りの知り合いからはよく言われました。首都圏ではJRや各私鉄で結構バイト募集しているので知っている方も多いかもしれませんが、地方だと社員だけで仕事が回ってしまうからなのか、なかなかお目にかかることが無かったりします。

 

1.駅員の仕事

まず、駅員の仕事は大別すると「輸送」と「営業」の2種類があります。輸送の仕事はポイント切り替えや信号・合図の表示など、安全に直結する仕事なので運転適性検査に合格した人しかできません。一方の営業は、きっぷの発売や改札、放送、案内などの接客の仕事です。バイトに任せられるのは営業の方です。営業と言っても別に訪問販売とかするわけではなく、単に鉄道業界では接客をそのように呼んでいるだけです。では、ここから具体的な営業の仕事を見ていきます。

 

2.バイト駅員の具体的な仕事

バイトの場合は会社によって採用時にどの仕事に従事するかがカッチリ決まっていたりそうでなかったりします。

1.出札

 旅客にきっぷを売る仕事です。JRでいうところのみどりの窓口的なところとか定期券発売所にいる人です。個人的なイメージですが、出札にいる人はベテランが多いと思います。発売は当然ですが払い戻しにも対応しなければならないし、きっぷに関する規則を熟知して適切に旅客に案内しなければなりません。でも逆に言えば覚えてしまえば淡々と処理するだけですのでバイトでもできなくはないと思います。ただ、他社線やバスとの連絡乗車券とか路線が入り組んでる会社は面倒くさそうだなとは思います。私は出札はやらなかったのでよくわかりませんが、イメージはこんな感じです。

 

2.改札

 改札口の脇にある窓口に居て乗り越し精算をしたり案内したりちょっとしたきっぷを売ったりする仕事です。基本的に自動改札機が処理してくれるので暇です。列車が到着したらザッっと旅客が下りてきて大体みんな勝手に改札機を通って出ていくけど、たまーに乗り越しがいたりするくらいです。日中や夜間はどのように時間をつぶすかということに一生懸命になります。

 

乗り越し精算でよくモメるのは、「改札を出ないで●●まで行って折返し戻ってきた」パターンですね。改札を出なければお金はかからないという認識が広くあるようです。しかし運賃は移動距離に対してかかっているので、改札を出ようが出まいが移動した分はお金をもらうというのが運輸業の商売です。ウチでは「タクシーに乗ってどっか行って降りずに帰ってきたらタダになるんか?(いや、ならない。)」という説得文句が代々使われていました。これで大体折れて払ってくれます。

 

また、よくモメそうなパターンとして「きっぷを失くした」というのがありますが、ウチでは再収受をせずに「今度から気を付けてね」と言って通してましたのでトラブルはありませんでした。再収受徹底主義の会社ではモメること必至です。

 

締切でお金が合わないとかあーだこーだっていうのはコンビニなどと同様にあります。そしてそれを揉み消す方法も代々教わるので大丈夫(?)です。地方企業の辞書にコンプライアンスの文字はありません。

 

3.放送

 基本的には駅務室からモニターを見ながらやっていましたが、時々何かの用事でホームに行くときはワイヤレスマイクを持って行ってたまたま列車が来たらホームで放送したりしてました。放送例文集がありはしますが、みんな適当に言っていましたね。1番線なんだか1番ホームなんだか1番のりばなんだか…。まぁ伝わればいいんです。大手になるとマニュアルが厳しいところも多いかとは思いますが、地方私鉄ならではのユルさだと思います。そういえば放送機器の周りにテプラで英語で「白線の内側にお下がりください」が書いてあったので、外国人が多いときはこのフレーズはみんな言ってましたね。その他は英語放送はできる人が好き勝手にやってたと思います。

 

4.案内

 「●●駅に行きたいけど何番線か?」

「××ホテルの最寄はどこか?」

「△△学校にはここからどのバスに乗ればいいのか?」

のような質問に答えます。自社線のことを除くと駅ごとに聞かれやすい項目が代々言い伝えられていたり、案内用の地図が準備されていたりするのでそれを使えば大丈夫。わかんないときは他の駅の詳しそうな人に電話して聞いたりしてました。自分の生活圏外の駅でもそれ程苦労はしなかったです。ただ、行ったこともないところを案内するのは心もとないので仕事終わりとかに実際歩いてみたりしてました。

 

 

5.体の不自由な方の介助

 会社によりけりみたいですが、ウチでは介助は社員さんがやってました。一応スロープを列車にかける訓練とかはやりましたが、実践は無かったです。

しかし、車いすで乗車したい等の希望があったときの降車駅や指令との打ち合わせはバイトでもやってました。この打ち合わせは間違うと事件になります。ウチでは乗車位置は統一されていましたので、気を付けるのは列車番号ですね。降りる駅で駅員がホームに居なかったら旅客が無理に降りようとして転落したり、乗務員が降車介助をして遅延が発生したりと問題があるので、営業の仕事の中では最も緊張感を持つ場面です。

 

6.忘れ物処理

 届けられた忘れ物は、遺失物台帳に拾得日時等を記載し、同じことを遺失物切符に書いたうえでそれを括り付け、翌日管理駅に送付していました。当時はパソコンで遺失物を管理とかしてなかったので、他駅の忘れ物を照会するときは電話して聞いてました。

 

列車内に忘れ物をしたという申告があった場合は終着駅に捜索依頼を電話でします。そこで見つかった場合、取り下ろされて旅客自身で取りに行ってもらいます。ウチの場合はかなり良心的(?)で、遺失物を取りに行く場合は運賃がかかりません。これも地方企業ならではの大らかさなのかなと思っています。大手各社がどうかは詳しく知りませんが。

 

 

7.異常時・緊急時対応

 緊急時なんて遭遇したことないですが、AEDの場所とか消火器の場所をたまに思い出すくらいです。

異常時も、都会のように毎日人身事故があるわけでもない地方私鉄ですから滅多にないです。私がいた中では線路に異物があったのが1件と車両故障が1件でした。非常に平和です。運転見合わせになったらバイトはひたすら放送ですね。事情を知らない旅客が次々と駅にやってきますので、現状を垂れ流し続けます。みんなそんなに急いでいないのか、大してクレームもありません。珍しいねぇ~くらいです。

 

どうでもいいですが、線路に異物があった件では駅の中で最初に異常に気付いたのは入社間もない私で、上司に報告したのになぜかスルーされてしまい、入線列車が場外で停止しているのに気付くのが遅れ、対応が後手になったという苦い経験があります。鉄道業界では若年者の発言が軽視されがちですが、異常時にはしっかり伝えなければなぁ…と思ったのでした。

 

8.勉強会

 2ヶ月に1回くらいきっぷの規則などの勉強会がありました。普段出札をやらないので定期券の問題とかは難しくて当時よくわかりませんでした。問い合わせが来たら出札に丸投げしてました…。

会社の施策などもここで知らされたりするので、鉄道会社の内部情報をイチ早くゲットできる機会でもありました。

 

2.バイト駅員の待遇

今はもっと上がっていると思いますが、当時は800円いってなかったですね。最低賃金よりは高いけど…という感じです。福利厚生は全区間乗り放題の職務乗車証と制服(バイト仕様)の貸与くらいですね。

勤務体系は日勤しかありませんでした。また、都会の私鉄でよく聞く飯当番制度もありませんでした(基本的に各駅ワンオペだから) 。

職場環境は割とよくて、一度退職したけど出戻りっていう人がバイト・社員含めてちょろちょろいました。

総合的に見ていい職場だったと思います。また機会があれば戻りたいくらいです。

 

3.バイト駅員は就職に有利か?

将来鉄道会社に就職したい方がこのバイトを選ぶことも多いかもしれません。業務経験がある点では有利だと思います。特にバイトで入ったところにそのまま契約社員や正社員になるのは何もないよりはハードルが下がると思います。社内にコネクションができるというのと、その会社で働いた実績があるってのが大きいですね。

他者の場合はそれほど有利にもならないかもしれません。同じ鉄道と言えど会社が違うと規則が違いますので、改めて覚え直すにあたって前職の知識が邪魔になるかもしれません。とはいえ、一旦駅員として身に付いたスキルはどの会社でも役に立つとは思います。

 

4.当時思っていた本音

最後に、駅員バイトだった当時、仕事をしていく中で色々思っていたことをここでぶちまけて締めようと思います。

 

 

客「●●駅は上り?下り?」

ワイ「上り」

客「上りってどっち番線?」

二度手間。

 

客「●●(主要駅)はどれ乗ればいいの?」

そこらへんにめっちゃ書いてるだろ。お前の目は節穴か?

 

客「1番線ってどうやって行くの?」

もう電車乗るの諦めろよ。

 

google mapを見せながら客「ここどうやって行くの?」

スマホ捨てた方がいいよ。

 

客「これ駅前の道に落ちてた!」

警察いけや。お前んちの前の道に落ちてたキーホルダーをお前んちに届けられたら迷惑だろ。

 

客「運賃高いね!」

じゃあ歩けや。

 

客電話「警笛うるさい!」

お前がそこに住んどるのが悪い。

 

客「子供連れて一周したいんだけど?」

ワイ「終点までのきっぷ買ってまたそこできっぷ買って…」

客「隣の駅まで買ってあっち行ってこっち行って隣で降りたらダメ?」

ワイ「ダメ」

客「山手線ではそれで一周できたよ?」

ワイ「(なんで知ってんねん。)ちな、それ一周したらアウトやで」

客「なんで?」

んなもんJRに聞けや。

 

IC非対応の改札機にSuicaを擦りつける客「どこにタッチするの?」

未対応で悪かったな。

 

Suicaを突っ込まれたIC非対応の改札機「ピンポーン!」

こんな分厚いの入るんやな。

 

券売機にて呼び出し

客「きっぷ出てこないんだけど!」

ボタン押してねぇじゃねぇか。

 

客「どっか旨い飯屋知らね?」

家で食うから知らんわ。

 

客「なんで精算機ないん?」

カネがねーんだよ。

 

券売機つり銭補充中

客「券売機1台使えねーぞ!ちゃんと使えるようにしとけや!」

タイミング悪すぎなんだが。

 

夏休み自由研究中の小学生「しつもんしてもいいですかー?」

ワイ「いいよー(ニッコリ)」

小「この駅は何人乗り降りするんですか?」

それは知らん。アポ取ってこい。(真顔)

 

御用の方はこのボタンを押してください「ピンポーン!」

呼ぶなや。

 

ワイ「まもなく1番線に列車到着です。白線の内側でお待ちください。」

観光客写真パシャパシャ~白線踏み付け~警笛パンパーーン!!列車減速~

死にてぇのか。

 

新聞で自社のニュースを見たワイ「まじか…出番じゃなくて良かった…」

 

他思いついたら追加します。

 

 

 

【今日の小ネタ】

鉄道会社のバイト探しは駅の掲示板とホームページチェックで見つかるよ~!じゃあね~~!!