南アフリカの寝台列車は安全か?
みなさんこんにちは。今回は南アフリカの寝台列車に乗った時の状況について話します。2014年当時の状況ですので、色々変わっていることはあるかもしれませんけどね。当時、ショショローザメイルに関する日本語の情報はほぼ無く(現在もどうか知りませんが)、治安状況に不安を抱いていました。ちなみに男一人です。
南アフリカの寝台列車といえば『ブルートレイン』が有名ですが、そこまでリッチじゃないので、ヨハネスブルグ→ケープタウン間のエコノミーな寝台列車である『ショショローザメイル(shosholozameyl)』を利用しました。客室は4人コンパートメントの寝台でした。運行スケジュールは、1日目の12:30にヨハネスを出て、2日目の15:30にケープタウンに到着するというものでした。
ところで、ヨハネスブルグが世界で最も治安の悪い街の一つであることは有名ですが、ヨハネスの中でも地域差があるようで、一番危険なのがパークステーション(つまりわしが列車に乗る駅)周辺らしいです。で、私の手元には予約確認書みたいなのがあり、これをパークステーション内のどっかで本当の乗車券に引き換えて乗り込むというシステムになってました。その予約確認書には
「パークステーション周辺はヤバいから、ぜーったい車で駅の中まで送ってもらってね!!」
と書いてありました。この時点でかなりビビってます。で、泊ってた宿の人に頼んで車を手配してもらいました。道中で、
わし「おっちゃん、この辺そんなにヤバいの…?」
と訊いたら
運ちゃん「あぁ、DANGEROUSだ…。駅の中でも、誰とも口を利くな。」
と。もう緊張度MAXです。車の中から見てる分には街は穏やかだし青空はきれいなんだけど、地元の人でさえそう言うってことはやはりそうなんだろう。
いよいよパークステーションが近づいてきた。だが、怖気づいて全然車から降りれない…。見かねた運ちゃんが
運ちゃん「よーし、じゃあついて行ってやるか?」
っつって一緒に来てくれた。駅の中は、薄暗かった気がするけど怖すぎてあんまりちゃんと覚えてない…。本当は駅の中で食糧を買い込むつもりだったけど、そんな余裕はなかった。おっちゃんが切符の受け取りとかもしてくれてホームまで来てくれた。マジでありがとうおっちゃん…。チップ取られたけど、「もういくらでも払うよおおぉぉぉ~~」と思いながらランド渡しておいた(笑)
列車に乗り込んで改めて見てみると、ホームも薄暗く、列車とホームの間には物々しい鉄柵が立っている。コンパートメントには自分が一番乗りで、あとの3人はどんな人になるのかわからず、また不安が押し寄せる…。列車強盗とかよく聞くしね。
一人目がやってきた。彼は白人でも黒人でもないおじちゃんだった。彼は後に食い物やビールをくれた良い人だった。
二人目がやってきた。彼は白人で生粋のヨハネスっ子の青年。結構頭良さそうで、ちょっと小難しい話題の話を振ってくる、良い人だった。
三人目がやってきた。彼もまた白人でも黒人でもないおじちゃん。すんげーーしゃべるのがゆっくりで、英語はペラペラ話さなきゃいけないと思っていたわしの考えをひっくり返してくれた、良い人だった。
結局、列車の中はものすんごく安全でした。んで、夜中に先行列車の故障のせいで3時間足止めされたけど、ビール飲みながら南十字星はアレだとかいいながら楽しく過ごしました。
さて、車窓からテーブルマウンテンが見え始めたころ、つまりケープタウン到着が近づいた頃、また私は不安に駆られることになります。当初の予定では15:30に着くはずが、先述の3時間の遅れのせいで18:30到着になりました。もう日は暮れ始めています。ケープタウン駅周辺の治安については良い噂は聞きません。先ほどの頭のよさそうな青年に、
わし「ねぇ、ケープタウンって大丈夫なのかい?」
と訊いたら
青年「キミは"あの"ヨハネスから来てるんだから大丈夫さ!」
との返し。確かにね。そういわれると大丈夫な気もしますが、不安っちゃ不安。しつこくしてたら、
青年「じゃー駅でタクシー拾ってあげようか」
と言ってくれた。おぉおおおマジThanks!ということでお言葉に甘えました。タクシーから見た感じでは、観光客も結構いるし、死ぬほど危険って雰囲気ではなさそうでしたがね。
結論ですが、
ショショローザメイルの列車内は特に危険ではありませんが、駅周辺の危険度が高い
という話でした。まぁでも南アでは宿に頼めば車の手配はしてくれるし、南ア人は基本的に優しいので何とかなります。ただ、くれぐれも気を抜いて殺されるということのないようにしましょうね。「意外と大丈夫やん!」と思った時が一番危険だと思います。
【今日の小ネタ】
南アフリカの鉄道は英国式だから左側通行だしゲージ幅は1067mmだよ〜〜じゃ〜ね〜〜